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日本のボッシュ・グループ

エンジン コントロール ユニット(ECU)

Engine Control Unit MS 7.4

エンジン コントロール ユニット(ECU)/ Engine Control Unit MS 7.4
エンジン コントロール ユニット(ECU)/ Engine Control Unit MS 7.4
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エンジン コントロール ユニット(ECU)/ Engine Control Unit MS 7.4

エンジン コントロールユニット(ECU)は、燃料噴射量や時期、点火時期など、エンジンを動かすうえで必要な制御を行うユニットです。ECUが空気、燃料、点火の制御機能を担う事は量産車においてもモータースポーツにおいても変わりません。ただ、量産車とモータースポーツでは走り方が大きく異なるため、フォーカスしている部分は少々異なります。

耐久性

量産車に比べて過酷な環境にさらされることも多い事から、熱や振動面での独自の対策も施されています。GT500で今年から採用されているボッシュモータースポーツ製ECUのMS7.4は冷却フィンを備えたアルミ削り出しのケースを採用しています。

CPU

モータースポーツ用ECUは、量産用ECUに比べ高いCPU能力を備えています。エンジン回転数が高くなるほど単位時間あたりの燃料噴射や点火の回数は増えるため、高回転を常用するモータースポーツにおいては計算負荷が高くなってしまいます。それに対応すべく、CPU能力が高められています。MS7.4は直噴4気筒エンジンと組み合わせた場合、最高で14,600rpmという高回転まで対応可能となっています。

ECU内部データ

量産車ではあらかじめECU内部に保存してあるデータを使い、空気量や燃料噴射量、点火時期といった項目を最適化しています。燃費や出力、排気ガスのクリーン化といった目的を実現しながらデータは決定されている為、ユーザーの日々の使用状況によりECU内部のデータが変更される事はありません。

一方、モータースポーツではマシンやコースの状況に合わせてECU内部のデータは頻繁に変更されます。加えて、戦況に応じた対応を可能とするため、データは数種類用意されています。ドライバーはレース中、状況に応じてステアリングに設置されたボタンやダイヤルでデータを切り替えながらドライビングしています。

また、量産用ECUの場合、厳しい排気ガス規制によってオンボードダイアグノーシス(OBD:故障自己診断機能)の搭載が義務付けられていますが、モータースポーツ用ECUには搭載されていません。そのかわりに、例えばアクセルを閉じている時にも、過給圧を高く保持するアンチラグのような、モータースポーツ用途に特化した制御が組み込まれています。

トルクガイデッドストラクチャー(TGS)

従来のECUでは推定した吸気量をもとに適切な燃料噴射量や点火時期を最適化するという制御が一般的でした。対して、TGSではドライバー要求トルクを、アクセル開度から推定する事で空気量や燃料噴射量、点火時期などを総合的に制御します。この結果、コーナー出口などの過渡領域において、制御に高い自由度を実現しています。

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