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日本のボッシュ・グループ

高温対応の燃料電池システム
(SOFC)

高温対応の燃料電池システム(SOFC)

固体酸化物形燃料電池(SOFC)プロジェクト

固体酸化物形燃料電池(SOFC)プロジェクト

ボッシュは、パワートレイン部門(PS)、サーモテクノロジー部門(TT)、コーポレートリサーチ(CR)を中心とした人員をひとつのプロジェクトの傘下に置き、ボッシュ・エンジニアリング・グループ (BEG)やオートモーティブエレクトロニクス (AE)の専門家の支援も受け、ロバート・ボッシュGmbHの取締役会の直下に、2019年に横断的な新プロジェクトチーム「固体酸化物形燃料電池(SOFC)プロジェクト」を築きました。ボッシュは、このSOFCシステムを介して、工業・産業用途において2030年には年間200億ユーロ以上の世界的な市場を見込んでいます。

ドイツ国内の複数のボッシュ拠点(バンベルグ、ホンブルク、ヴェルナウ、フォイエルバッハなど)では、SOFCのセルからスタック、システムの組立、認証までのサンプルショップ生産をサポートしています。ボッシュ内ではSOFCシステムの導入がすでに開始されており、近い将来には外部パートナー先でもこの技術を介した、高効率なエネルギーの生産が開始します。

2020年5月には、水素・燃料電池の分野において世界をけん引している日本国内にも、初めてチームが発足しました。日本国内の市場・技術調査のほか、多くのSOFCシステム・スタックコンポーネントのサプライヤや大学などのパートナーと連携していくなど、今後のビジネスの可能性に備え、グリッドコードや、法規・認証などエンジニアリングサポートをしていきます。ボッシュは来年以降、日本国内でSOFCシステムの導入検討に入ります。

さらに、ボッシュは、ラボレベルのSOFCセル・スタック技術を量産化するため、共同開発者セレスパワー(Ceres Power UK)社に1億ユーロを超える投資を行ってきました。ボッシュは、セレスパワーの保有技術である金属支持型セラミック燃料電池SteelCell®を基に、10 kWのSOFCシステム試作品を製作しました。これは、幅広い燃料選択性があり、60%以上のエネルギー効率を達成可能です。熱交換器を介して暖房や給湯システムに生成熱を使用するなど排熱利用すれば、総合効率は85%以上になります。

また、ボッシュの人工知能(AI)技術は、システム構成の最適化やメンテナンス・サービスのほか、セクターカップリングを支援します。SOFC燃料電池システムは、天然ガスで運転し、排熱利用しなくても、国内の一般的な火力発電所と比べてCO2排出量は50%以上削減できます。また、燃料電池を水素やエコガスで運転する場合は、直接的なCO2がまったく排出されません。10 kWのSOFCユニット1台で、20世帯(4人/1世帯)以上の年間電力需要を賄うことができます。CO2削減だけでなく、NOx、粒子、騒音、振動に関するゼロエミッションといった環境的な利点により、近隣の生活にも支障をきたすことなく、設置することが可能となります。

ボッシュSOFCシステムの特徴

1) 作動温度の低温化による耐久性向上と安価な材料選定による低コスト化;

2) 高出力密度による設計小型化;

3) 高い出力応答性と速い起動時間による適用分野の拡大;

4) 金属支持型セル設計により金属基板の脆弱性が改善し、標準的な溶接技術の適用が可能となり、組立時間の短縮化と自動車製品と同様の量産技術利用が可能;

5) 外部給水機なしで稼働可能;

6) AI・デジタルツインにより、様々な規模に応じた分散エネルギー供給利用の最適化が可能;

7) 水素(H2)の他、天然ガスやバイオ・エコガス、その混合した炭化水素燃料でも作動が可能。

外観
内部
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お問い合わせ:

SOFC.Japan@jp.bosch.com

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