モータースポーツ部の役割
ボッシュは2020年から国内最高峰の自動車レースシリーズであるSUPER GTの公式スポンサーに名を連ねました。加えてGT500クラスのマシンに共通部品の供給も実施しており、そのサポートを関連会社であるボッシュエンジニアリング株式会社のモータースポーツ部を通じて行っています。
モータースポーツ部の役割
全世界で約40万人を数えるボッシュ・グループのなかで、モータースポーツに携わっているのは130人程度です。そこには日本のモータースポーツ部も含まれています。その活動はSUPER GTなどの国内カテゴリーだけに留まらず、アジアのさまざまな国にも及んでいます。
モータースポーツ部がSUPER GTに対して実施しているサポート内容は大きく分けてつぎのふたつに分類されます。
1) レースに向けた、自動車メーカーやチームのエンジニアとの事前準備
2) レースウィークにおける現地でのサポート
「日本のモータースポーツ部からは3名のスタッフがサポートを担当しています。さらに、ドイツ側の担当者とも臨機応変に連絡を取り、日本とドイツの両方からサポートを行う体制を整えています」と話すのはモータースポーツ部シニアマネージャーの河内洋文さん。
事前サポート
モータースポーツ部では簡易的な車両相当システムの構築が可能な設備を所有しており、車両を使わずとも、電装系のシステムチェックが実施できます。気候や場所と言った、常に変わり続ける環境下においても、最高の性能を発揮するため、自動車メーカーやレーシングチームによる、エンジン、車両のセッティングの最適化は毎戦実施されます。その変更に関わる机上での検証や解析がレースウィーク前のサポートの大きな部分を占めます。
共通部品はエンジン コントロール ユニット(ECU)や液晶ディスプレイ、各種センサーなど15種類以上に及んでいますが、これまでの100年以上に渡るモータースポーツでの経験から、ハイレベルなSUPER GT GT500クラスにおいても、必要なパフォーマンスが発揮されています。
現地サポート
そして、レースウィークには現地でサポートにあたります。スペアパーツを準備して不測の事態に迅速かつ的確に対応できるよう、万全の準備を整えていると共に、メーカーやチームのエンジニアとの円滑なコミュニケーションも心掛けています。
「実際にはサーキットの現場での作業よりも、それまでの準備作業の方が圧倒的に多いですね」と話す河内さん。レースが終わってから、次のレースに向けてまでの間が、モータースポーツ部がもっとも忙しくなる時間になります。
モータースポーツ部のポリシー:ニュートラル・サポート
サーキット内外で精力的に活動しているモータースポーツ部ですが、SUPER GTをサポートするうえでもっとも大切にしているポリシーがあります。
「どこかのメーカー、チームに偏りが出ないよう、平等にニュートラル・サポートを行うのが我々の使命です。SUPER GTのレースがこれからもスポーツとしてだけでなく、エンターテイメントとしても、より魅力的になっていく一助になればいいなと思っています」と河内さん。
モータースポーツ部は、SUPER GTのこれからの発展のために全力でサポートしていきます。